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2019年6月 3日 (月)

フィンランドの話 異文化理解の続き

おはようございます。

先週は、定例の橋本先生勉強会でフィンランドの話を聞きました。

講師はフィンランド大使館の渥美様(所属部所はビジネスフィンランド:後述)

個人的にも、フィンランドの方と一緒に武道の稽古をした経験もあり、国に対する興味が湧いていました。

また、GW中に読んだ日露戦争関連の本の中に、

「日本がロシアに勝ったことで、フィンランドは大変な勇気をもらった」

と書かれており、自分が歴史を全く知らないことに気づかされました。

日露戦争の勝利によってアジア各国に独立機運が高まったことはしっていましたが、

日露戦争当時、フィンランドはロシアの一部だった事を知りませんでした。

地球儀や地図で確認すると分かりますが、フィンランドと日本はロシアを挟んで隣同士です。

温暖化が進んでいる現在、北極海航路ができると物流面でもとても近い存在になります。

この日の講義は、ビジネス面での話が主かと思っていましたが、歴史を含めた幅広い学びを得られました。

では始めます。

 

フィンランドの基礎的情報:

  • 人口550万人、首都ヘルシンキ
  • 国土面積は日本とほぼ一緒
  • 1917年独立(日露戦争は1904~1905)
  • 言語はフィンランド語、英語、スウェーデン語
  • 法人税率20%
  • 暮らしやすさランキング世界一位
  • 王室はない
  • 緯度が高く、夏はずっと昼間で冬はずっと夜。オーロラが有名
  • ムーミンの故郷

給料は日本とほぼ一緒(EU内では安い方)

国土が広いので家は安い。一般社員でも土地1エーカー(1200坪)の家を買うのは珍しくない。

講師の知人が「隣家の音が気になる」と言うので、どのくらい離れているか聞いたところ20km!

税率が大変高いので、大学含む教育は無料で老後の心配がない代わりに頑張ってもあまり給料が増えない。

租税の国民負担率約65%(日本は40%程度)

 

歴史:

先史時代を経て、12~19世紀までのスウェーデン時代(今でも金持ちには旧スウェーデン人が多い)、

19~20世紀のロシア時代を経て独立。

ロシアから独立後、多くの東欧諸国はソビエト連邦に組み込まれたにが、

フィンランドは独立国として良好な関係を維持。

オイルのパイプラインも止められなかった。

講師曰く、その理由はフィンランド人が「強かったから」ではないかと。

先史時代をひも解くと、大陸からのフン族(遊牧騎馬民)が作った国という俗説もあるそう。

日本にもフン族が来ており、それが両国のサウナ、風呂好きの遺伝子とも。

両国ともに裸でサウナ、風呂に入るが、世界的に見ると珍しい。

日本との外交史では、今年が外交樹立100年、記念式典には秋篠宮ご夫妻が出席される予定。

良好な関係を築いており、飛行機も週に40便飛んでいる。

 

ノキアの歴史から見るフィンランド経済:

1990年代から2011年まで、ノキアは携帯電話において世界トップ企業を維持し続けた。

当時約5万人の従業員の内、半分は外国人(トップマネジメントはフィンランド人の割合が高い)

その後スマホ台頭により携帯電話部門売却、現在はルーセントを傘下に。

その結果ルーセント参加だったベル研究所もノキア傘下になっている。

現在は5G通信システムで世界第二位。次次世代6Gの開発でも先行。

その他通信に限らず幅広い事業展開をしている。

携帯電話部門売却時でも、日本の製造業でいえば大変優秀な利益を出し続けていたが、

先行きを考えて売却。

退職者に退職金+2500万円を払って起業を勧める(起業1,000社計画)

この計画は成功し、色々な分野で優秀なベンチャー企業が育ちフィンランド経済を支えている。

ここで先述した「ビジネスフィンランド」の説明。

これは日本でいう経済産業省の様な組織ですが、企業に対して650億円の直接投資を行っている。

国として積極的にベンチャー投資をしている事もあり、

近年スタートアップ企業のイベント(起業家と投資家の出会いの場)「SLUSH」が大人気。

2018年は12/4、5の2日間に一般参加2万人、スタートアップ3,100社、投資家1,800人、

参加国籍130か国、実施ミーティング2万以上。

「SLUSH」=スタートアップ企業のワールドカップといった様相を呈している。

例えば自動運転に関するスタートアップ企業に対する支援では、資金面だけではなく

実地試験での場所提供も法解釈を柔軟に変えて対応している。

技術的には日本の方が高いかもしれないが、規制が多すぎてテストが進んでいないのと対照的。

また、かつては医療面での遅れが深刻であったが、今は大胆なIT化(電子カルテのビッグデータ処理)

により、医者の少なさを適切なデータ処理でカバーすることで改善している。

 

その他、まとめ:

フィンランドは教育が無料で、教育水準が高い。

社会人になっても、16:00には仕事が終わるので、終業後に大学院に行く人も多い。

ただし個性を重視した教育をするため、勉強嫌いはそのまま大人になり計算もできない人も多いという面もある。

個人で見ると優れた人が多いと思えなくても、組織となると大きな決断を大胆にし環境に適応していく。

また失敗を許せる文化でもある。

そんなところも小さい時からの教育環境によるものなのかもしれない。

ノキアの例でも書いたが、フィンランドの組織において成功したらボーナスが出るのは当然だが、

継続してる事業や研究が上手く行かないとトップが判断したら、

利益が出ていなくてもボーナスを払ってその事業をやめてしまう。

担当者は続けたければそのボーナスで独立すればよいので、好循環が生まれる。

日本の場合は事業が属人的になってしまい

「~君、~さんが頑張っているからもう少し様子を見よう」となってしまうところである。

事業に対する考えがドライで、日本人の様に仕事にしがみついて頑張らない。

実際仕事上の会話においては、ほとんど無駄話はせず、接待も行わない。

接待の代わりにサウナに一緒に入っておしゃべりをする。

大きな会社においては、会議室の横にサウナが併設されてている事も多く、

国全体では100万か所以上のサウナがある。

サウナほどではないが、多いのが巨大室内カート場。

冬の娯楽が少ない(できない)ので発達。実際F1レースにおいてはフィンランド人ドライバーは多い。

また、広大な土地と気候をいかしたラリードライバーも有名人が多い。

一見縁がない遠い国のように感じるフィンランドであるが、学んでみると似ているところも多く

親近感を持つ。

日本との比較では、人口が20倍以上違うので直接比較はできませんが参考にすべき点も多いと感じます。

異文化の理解のための学び、自分の考え方を広めるためにもとても大切だと再認識しました。

食についても考察したいのですが、長くなってしまいましたので来週書きます。

写真ですが、身近な自然に神秘性を感じると言う面もフィンランドに親近感を抱くかと思い、

通勤路のジュンサイ池で:

Photo_10

この一角では自然にジュンサイを再生しようとしています。本当にきれいな水です。

今日も読んで下さりありがとうございました。

 

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