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2020年3月23日 (月)

大正、昭和、平成。そして令和へと続くモノづくり

おはようございます。

 

先週は稼働日4日の内、3日が複数のお客様監査予定でしたがすべてキャンセルになってしまいました。

工場の管理状況を定期的にお客様の目で確認いただくことは、

品質管理の面からも最重要な機会だととらえていますので、

残念な事態となってしまいました。

いつ肺炎騒動が収まっても、すぐに対応できる体制を維持していきます。

 

時間の有効活用のためにも、お客様(N社様)の社主による回顧録を読ませていただきました。

帯鋼帯メーカー様なのですが、大正からシナ事変、戦前、戦中、戦後という

ダイナミックに社会が動いた時代に、一途に良い製品を作る事を進めてきた方の話です。

恐慌になろうとも、戦争が起ころうとも、226事件が起きようとも、

仲間を大切に、そして時には助けられ幾度もそれを乗り切り

工場の維持発展につとめている姿は感動的でした。

今日有名になっている会社とのN社様の古いつながり、競合先との深い縁の学びもとても面白かったです。

そして長い歴史には、隆盛を誇りながら残念ながら消えていく会社も…

そこには常に真剣に事業に立ち向かう人間がいたと思うと、身が引き締まる思いです。

 

N社様が作る物:

金属の帯鋼(ロール材:芯に巻き付けてある)は、今では一般的な製品ですが、

当時日本では基本的に板材(四角状の材料)しかありませんでした。

帯材の起こりは、小型モーターが出来るまでは大変貴重な動力だった

「ゼンマイ」

の薄物鋼板。

そこで社主は、材料を輸入したり、国内最大手のメーカーに掛け合ったりして、材料を用意したそうです。

その材料を少しずつ引き延ばして、狙いの厚さ(寸法)にし、次のステップとして芯に巻き付ける。

言われてみれば、この引き延ばす作業(=圧延)がいかに難しいか分かりますが、

本を読ませていただくまでは完全に勘違いしていました。

まず材料が有って、それを加工メーカーに指示をして薄くしているものだと。

 

日向工業で行っている加工を考えると、こんな風に考えがちになります:

例えば銅を供給してくださる会社は数社ありますが、

難易度の高い加工の場合その金型を設計製造できる会社は限られる。

またその金型の性能を狙い通りに引き出し、金型の摩耗を読み切って

予備パーツを用意して長期間狙い寸法通りの加工をし続けられるメーカーはほんの一握りになる。

ここで材料に対する感謝を忘れてしまいがちです。

 

以前に中国出張に行った際に、現地同業メーカーの使っているロール材の品質の悪さに

驚いたことを思い出しました。

明らかに材料の寸法精度が悪く、表面状態はくすみ、

サイドのカット状況(スリッター精度)も悪くて波打っている。

 

反して普段自社工場で接している日本の一流メーカーの材料は、ビシッと美しく、

安心して高速プレスの金型に材料供給ができる。

精度が悪い材料を無理やり入れれば、スムースに材料が動かないばかりか、

最悪材料が詰まって高価な金型がバラバラに壊れてしまいます。

高速プレスに使う金型は、超硬材といって金属ながらガラスの様な特性を持った材料だからです。

 

母材を圧延すると言っても、この様に高品質に仕上げるのがどれほど難しいか。

熱を加えすぎれば、脱炭を起こして品質が変わってしまう。

また、どんな雰囲気中で熱処理をするかでも、表面品質は全く変わってしまう。

無理やり厚さを変えようとすれば、ひずみが残ってしまうし見た目にも問題が起こる。

無理やり加工するという事は、機械にもストレスを与えることになり故障の原因になります。

そしてやっと狙い通りに仕上がっても、最後のスリッター加工(狙い幅への切り分け)で

失敗してしまえば、材料が蛇行したり、切り口がギザギザになってしまい

それまでの工程における苦労が水泡に帰してしまう…

大変な作業です。

 

社主は当時の先進国、イギリスやスウェーデンを視察し

「おもったよりたいしたことないな」

「これなら勝てる」

と自ら現場に立ち、機械を改善/改造し続けて、自信をもって事業を推進していかれます。

欧州を視察すると言っても、直通航空便をつかって半日で行けてしまう今と違い、

船で片道一か月以上。

さらに世の中も不安定な時期ですからまさに命がけです。

そこまでするから何でも吸収しようという「気魄」が相手に伝わるのでしょう。

普段は見せてもらえない工程も見られたそうです。

不安になるなら相手に飛び込み、そして技術を見切って腹をくくる。あとは前進あるのみ!

大正から昭和にかけて基礎を築き、平成の世でもそれを続けられた。

そして令和時代。また大きく社会が変わりそうです。

創業者精神を再度発揮する時が来た様です!

監査が中止になったおかげで、大変重要な学びを得られました。

実はもう一点、社史を読ませていただいて学んだことがあるのですが

長くなりましたのでそれは来週書きます。

 

写真ですが、いつの世でも、世の中がどうであろうと人の心を癒してくれる桜:

2020-1_20200323071901

週末の昼間に撮影。

同じアングルで夜桜は:

2020-2

何だか妖艶さを増します。

そして今朝、違う桜です:

2020_20200323072001

素晴らしいです。

春先に咲く梅が好きと言いながら、やっぱり桜の豪華さを目にしてしまうと心揺らぎます。

自分の浮気心に気づかされますが、きっと梅→桜という順番が良いのでしょうね。

今日も読んで下さりありがとうございました。

 

 

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