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2020年4月 6日 (月)

パニック

おはようございます。

今日は開高健(かいこうたけし)のパニックという本について書きます。

現下の世界情勢を表しているような話です。

 

今のパニックは新型コロナウイルスによって引き起こされていますが、

この本では「笹の花」とそこに吸い寄せられる「ネズミ」によって起こされます。

笹の花は60~120年に一回しか咲かないそうですが、その花の実はとても栄養価が高いそうです。

コメや麦を軽く凌駕するほどに。

初夏に咲いた花をそのままにして冬になってしまうと、食料を求めたネズミが殺到してしまい

農作物に大被害が及ぶことに気づいた役人が居ました。

ネズミは安定した環境下では「ネズミ算式」と呼ばれるように、

あっという間にたくさんの子供を作り出します。

そこで彼が、上司に笹原を焼き払うことを提案しますが、地権者や政治家の反対にあって

現状維持を続けてしまいます。

反対理由は

  • ネズミがたくさん来るという風評被害
  • 焼き払う際に火事にならないか

などどうでも良い事。

花の周期が60年から120年という事は、実際に知っている人がほとんどおらず、

危機感が無い(今日と同じ明日は来る)というのが大きいです。

地震や津波の被害もこれと全く同じ心理状況と言えるかもしれません。

 

一般的にネズミは小さな範囲(せいぜい10~20m四方)でしか活動しないそうです。

しかし、多量の食糧があるという情報は共有するようで、この本の中では

全ての種類のネズミ(ハツカネズミやドブネズミ、クマネズミ)が笹原に集合してしまい

一つの巣に2~3俵もの笹の実を蓄えたとか。

しかしそれも増えすぎた子供によりあっという間に食い尽くされ、

春を待たずに手当たり次第に近くの木に食らいつくことに。

春になって雪が消えれば、雪の下で木は倒れんばかりに細くなるまで食い尽くされている。

 

それでも食べなければ死んでしまうネズミたち。

ここで普段ではありえない行動を起こし始めます。

自分の行動範囲を超えて、また夜行性のネズミが白昼堂々と街を目指す。

全ての下水道がネズミで埋め尽くされるのはもちろん、家のかやぶき屋根まで食い尽くし、

昼間に人間の赤ちゃんを襲うほどに。

 

そしてさらに行き詰まりパニックを起こします。

皆で一斉に同じ方向に向かい走り出します、その先には生の希望もないのに。

 

これから読まれる方もいると思いますので、人間関係の動きと結末は書かないことにしました。

でもここに出てくる「ねずみ」を「人間」に置き換えても通じてしまいそうな現下の状況。

恐怖心からパニックを起こせば、ネズミの行動を笑って見られないのは歴史も証明しています。

 

ではそうならないために我々はどうするべきか。

それは、ネズミはもちろん人間以外のすべての動物には無い

「克己心」

に対して理想を定めて生きることです。

「克己心」は「気品ある生き方」と言い換えても良いかもしれません。

気品とは、数々の名言を残された哲学者「森信三」によれば

「その独りを慎む」と。

他者の目ではなく、自分自身の内面からにじみ出るものにより、自然体で律する。

明治、大正、昭和、平成を生きた森信三。

その言葉からは武士道に通じる精神性の高さを感じます。

戦後世代の日本人が忘れてしまっているものかもしれません。

国難といえる現在の状況を乗り切るために、偉大な先輩方の言葉から力をもらう。

そして免疫力を高める事でウイルスに打ち勝ちましょう!

陽だまりの無駄話が普通の光景になる日まで。

 

写真ですが、一週遅れで雪の桜です:

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本降りです。止むのを待って公園に行ってみました:

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急に気温が下がったので、湖面が煙って(けぶって)います。

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珍しい景色なので、写真を多めで。

今日も読んで下さりありがとうございました。

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